「転職したいけど、今の仕事が忙しすぎて全然時間が取れない」
「心身が限界に近いけれど、退職してから転職するのは不安」
「無職期間があると不利になるんじゃないの?」
「もう今すぐ会社をやめて、次の会社を探したい」
こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
一般的には「在職中に転職活動するのが正解」と言われます。確かに生活費の不安もなく、経歴に空白期間も残りません。
ですが、筆者はあえて退職してから転職活動をするという選択をご提案したいです。
それは、筆者が退職してから転職活動をし、実際に転職に成功(当時は成功したと思っていた)した経験があるからです。
この記事では、筆者の実際の体験を交えながら「退職してから転職活動をする」という選択肢について、メリット・デメリット、筆者のリアルな話、そして不安を乗り越えるための考え方を整理してお伝えします。
在職中に転職活動するのが王道とされる理由
まずは一般的な話から整理しましょう。
多くのブログ記事やキャリア本、転職エージェントは「働きながら転職活動を進めるべき」と言います。理由はシンプルで、収入が途絶えない安心感があるからです。在職中であれば、無職期間を説明する必要もなく、世間体も守れます。
しかし一方で、在職中の転職活動は非常に大変です。平日の夜や休日を面接や書類作成に充てることになり、心身が疲弊します。私自身、在職中に転職活動をしようとしたとき、業務に追われすぎて思うように進まず、結局ズルズルと先延ばしにしてしまった経験があります。
つまり、「在職中に活動する」という選択肢には安心感がある一方で、「本当に考える時間が取れるのか」、「納得のいく転職活動ができるのか」という大きな課題があるとも言えます。
退職してから転職活動をするメリットとリスク
では逆に、退職してから活動する場合はどうでしょうか。
筆者が実際にやってみて感じた最大のメリットは「転職活動に全集中できる」ことです。
面接日程の調整や企業研究、キャリアの棚卸しに、面接対策にと余裕を持って取り組めました。
さらに、在職中には考える余裕がなかった「自分は何を大事にしたいのか」という問いにじっくり向き合えたのは大きな収穫でした。
加えて、無職期間はリラックスできる時間にもなります。社会人はゴールデンウィークや年末年始等で長くて10連休くらいがMAXの休暇ではないでしょうか。
それだけで十分な人もいるかと思いますが、実際に仕事から解放され、1ヶ月ほど何もしなくていい時間は、筆者にとってはとても晴れやかな気持ちでした。
一方で、リスクも当然あります。収入がゼロになる恐怖感は想像以上に大きいです。周囲から「大丈夫なの?」と心配されることもありましたし、何より面接で「なぜ辞めてから活動しているのか」と必ず質問されました。
この「空白期間をどう説明するか」が、退職後の転職活動を選ぶ際の最大のポイントだと実感しています。
筆者が退職後の転職活動を選んだ理由
それでも私が「退職してから転職活動をする」という道を選んだのは、いくつかの理由がありました。
1つ目は、人間関係のストレスで心身が限界に達していたからです。おそらく鬱状態であったのと、在職中に活動を続ける余力は残っていませんでした。辞めなければ本当に壊れてしまう、そんな状況でした。
2つ目は、過去の後悔です。30歳のとき、一度転職を考えたものの「忙しいから」と理由をつけて先延ばしにしてしまいました。結果的に、その後さらに状況が悪化してから辞めることになり、「あのとき決断しておけば」と強く思ったのです。
3つ目は、失業保険の存在でした。退職すれば一定の待機期間を経て失業保険が給付されます。「最悪、失業保険があるから大丈夫」と思えたことで、思い切って退職する決断ができました。
退職後でも転職は成功できる
退職してからの転職活動には、周囲の目や空白期間の不安など多くのハードルがあります。ですが、筆者の経験では「理由をきちんと説明できれば」不利にはなりませんでした。
実際、転職活動では、じっくり時間をかけて企業を選び、結果的に年収1,000万円に到達するポジションに就くことができました。
面接で必ず聞かれる「なぜ辞めてから?」という問いに対して、私は正直に「自分のキャリアを整理するために時間を取りたかった」「在職中では考える余裕がなかった」と答えました。その説明は理解してもらえることが多く、むしろ「きちんと自己分析ができる人」であったり、「一般的な人と違って印象に残る」とポジティブに評価されるケースすらありました。
よくある疑問に回答
ここで、退職してからの転職を考える人が抱きがちな疑問に答えておきます。
退職してから転職は不利にならないのか?
→ 不利に見られることはあります。ただし「キャリアを見直す時間が必要だった」と理由が明確に説明できれば問題ないと思います。
空白期間はどれくらいまで許容されるのか?
→ 3か月程度なら大きな問題にはなりませんでした。半年を超える場合は「資格取得」「勉強」「自己投資」など説明材料を用意するのが大切になってくると思います。
失業保険をもらいながら転職活動してもいいのか?
→ 私の実体験としては「大いにアリ」です。焦らず活動できたのは失業保険のおかげでした。余談ですが、再就職手当という手当ももらえることができ、今振り返れば、あの時は人生の夏休みだなと思います(笑)
退職してから転職活動するなら準備しておきたいこと
もしあなたが「退職後に活動しようかな」と考えているなら、最低限これだけは準備しておくことをおすすめします。
まず、生活費は最低でも半年(筆者は1年分が推奨)は確保しておきましょう。焦って不本意な転職をするのを防げます。
次に、無職期間を有効に過ごす計画を立てておきましょう。資格取得や勉強でもいいですし、心身のリセットでも構いません。最初の1ヶ月はダラダラと過ごすのも筆者はありだとは思います。
※ただ、有給休暇が使えるのであれば、その時間もフルに活用することをおすすめします。
結論:退職してからでも転職はできる
筆者自身の経験から断言できるのは、「退職してからでも転職はできる」ということです。
もちろんリスクはありますし、誰にでもおすすめできる方法ではありません。ですが、キャリアに真剣に向き合う時間を持ちたい人や、在職中ではとても転職活動ができない状況にいる人にとっては、有効な選択肢になり得ます。
筆者の場合は「自分と向き合う時間が必要だった」「失業保険という安心材料があった」「30歳の後悔を繰り返したくなかった」という理由がありました。その選択が、結果的にキャリアのステップアップにもつながったのです。
まとめ
転職活動は在職中にするのがセオリーとされていますが、退職してからでも十分に可能です。重要なのは「なぜその選択をしたのか」をポジティブに説明できること。
退職は「逃げ」ではなく「戦略」でもあります。キャリアは一度リセットしても、やり直すことができます。別に逃げたっていいと筆者は思いますけどね。
もし今あなたが「考える時間すら取れない」「心が限界に近い」と感じているなら、退職してからの転職という選択肢を一度検討してみても良いかもしれません。
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