「大企業にいるけれど、このままでいいのだろうか?」
「転職をしたとしても大企業から大企業への転職だと結局変わらないのでは?」
「ベンチャーに行けばもっと成長できるのでは?」
読者の中で、こんな悩みを抱いたことはありませんか?
筆者自身、同じことを考えた経験があります。安定した大企業にいる安心感はあるものの、一方で「スピード感ある環境に身を置きたい」「若いうちでないとベンチャーにチャレンジできる機会はないのではないか」と葛藤した時期がありました。
そして、まさに1回目の転職の際にこの悩みにぶつかりました。
結果的には2回目の転職(起業に近いですが)の際にいわゆるスタートアップへ身を置き、現在もスタートアップで働いております。
この記事では、そんな悩みを持つ方に向けて、大企業からベンチャーに転職する際のメリットとリスクを整理し、判断の材料を筆者の体験談も交えてお伝えします。
結論:目的が明確であれば「アリ」
先に結論を述べてしまいますが、筆者はベンチャー転職は、目的が明確なら行く価値は全然あると思います。
ですが、裏を返せば、「明確でなく、漠然とした動機」ならば、後悔する可能性が高いです。
その辺りをこれから詳しく述べていきますね。
ベンチャー企業に行くメリット
ベンチャー転職は、目的が明確であるならば選択肢の一つしてありでないかと筆者は考えています。
一般的にベンチャーに飛び込むことで得られる最大の魅力は、「裁量」と「スピード」が挙げられるかと思います。
具体的には以下のようなメリットがあります。
- 裁量権が大きい:少人数の組織では、一人ひとりが意思決定に大きく関われます。自分の提案がそのまま事業に反映されることも少なくありません。
- 成長スピードが速い:試行錯誤のスピードが速いため、成功も失敗も早く経験できます。その分、学びの密度も高まります。
- 幅広いスキルを習得できる:大企業では役割が細分化されがちですが、ベンチャーでは営業・マーケティング・採用など複数の領域を横断的に経験できます。
- 成果がダイレクトに反映される:会社が成長すれば自分の評価も直接上がりやすく、ストックオプションなどのリターンがある場合もあります。
- 経営に近い立場で働ける:経営陣との距離が近く、経営視点を学びやすい環境です。
※ですが、ここはベンチャー転職した友人の話を聞くと、会社によって大きく異なり、本当に社員数名のスタートアップに限られるとは思います。
つまり「裁量を得たい」「経営視点を身につけたい」「幅広いスキルを早く習得したい」といった目的があるなら、ベンチャー転職は非常におすすめです。
また、今まで述べたのは経験やスキル面の話となりますが、年収、お金の面でもメリットはあります。
- 収入面での可能性:メルカリがわかりやすい例ですが、上場を目指すベンチャー企業であれば、ストックオプションの付与があれば将来莫大な収入を得られるチャンスがあります。また、会社がまだ小さいうちに参画することで、会社の成長とともに、上の役職やポジションに付きやすく、先行者優位を得られる可能性もあります。
ただし、収入面でのメリットは確率的にはあまり高くない
(最近は上場するのが厳しくなってきている状況や、先行者優位をとるとなると、早い段階で行く必要があるため、判断が難しい)
ことから、こちらをメインで考えるのはおすすめできません。
ベンチャーに行くリスク(デメリット)について
一方で、ベンチャーには当然ながらリスクも存在します。ここを理解せずに飛び込むと、「やっぱり大企業にいればよかった」と後悔することになりかねません。
- 収入・雇用の不安定さ:資金調達や事業モデルの成否によっては、突然経営が傾くこともあります。
- 激務になりやすい:少人数で事業を回すため、長時間労働やプレッシャーが避けられないケースも多いです。
- キャリアの再現性が低い:成功すれば大きな武器になりますが、失敗した場合「よくあるベンチャー経験」として軽く扱われる可能性もあります。
- 仕組みが整っていない:福利厚生・教育体制・業務プロセスなど、自分で一から作る必要がある環境です。
そのため、目的が曖昧なまま入ってしまうと、こうしたリスクだけが重くのしかかり、こんなはずではなかったということになりかねません。
筆者の体験談
筆者は大企業(2社)で10年以上働き、安定した給与や福利厚生を享受していました。
しかし「一度は起業やベンチャーに挑戦してみたい」という想いから、タイミングが重なったということもあり、スタートアップに参画しました。
※補足しておきますが、読者の皆様が想定している「ベンチャー」という起業でもなく、本当に起業したてのスタートアップといった感じです。
実際に経験してみると、個人的には、ベンチャー/スタートアップでの会社の業務は
「やることが無限にある」
「スピード感をもってやらないと終わらない」
「裁量権の大きさというのは聞こえがいいですが、なんでもやらなくてはいけない」
というのが率直な感想です。(もちろん企業の最小やフェーズにもよるかと思いますが)
そして大企業に比べオフィス環境や収入面での待遇、福利厚生等は雲泥の差があります。
正直、今振り返ると「大企業は楽で居心地もよくてよかったなー」というのが感想です(笑)
ただ、筆者は決して後悔はしておらず、明確な目的(起業、会社経営に携わり大きくしていく経験とM&Aによる会社売却による収入)があるため、現在は「同期起業」の中に身をおけている訳です。
自分の意思決定が事業を左右する感覚は、何物にも代えがたい経験です。
ここからはちょっとした小話になるのですが、1回目の転職の際には、筆者はコンサル業界を主に見ていました。
内定までいただいた「EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社」という会社のパートナー(いわゆる日経企業の役員のポジション)の方との面談をした際に、筆者と同じ年齢に戻った場合、どういうキャリアを選ぶかという質問をしました。
そのパートナーの方は、現在のポジションであるコンサルに入って、パートナーを目指す選択肢ともう一つ、ベンチャー起業に入ってストックオプションをもらって人生上がるかなと2択だと教えてもらいました。
後者はまさに、先ほどベンチャー転職のメリットの収入面での部分で触れた通りなのですが、パートナーまで上り詰める方もそのような考えがあるんだと当時は勉強になったことを覚えています。
今更ですが、EYに転職してれば違った人生があったかもしれません、、、(笑)
読者の皆様へのアドバイス
もしあなたが「ベンチャーに行くべきか?」と悩んでいるなら、以下の問いを自分に投げかけてみてください。
- 5年後にどんなスキルや経験を得たいのか?
- そのスキルや経験を活かしてどうしたい、どうなっていたいのか?
- 収入と裁量、どちらを優先したいのか?
- 今の生活基盤で、どれだけリスクを取れるのか?
これらの問いに明確に答えられるなら、ベンチャーに挑戦する価値があると思います。逆に答えが曖昧なら、今はまだ大企業に残り、準備を整える方が賢明かもしれません。
また、目的にもよりますが、「ベンチャーでの経験は何年まで」という風にあらかじめ期間を決めてしまうことで、ゴールがはっきり見え、逆算からキャリア設計がしやすいという観点からおすすめできます。
まとめ
さいごにまとめです。
- ベンチャー転職は「目的が明確」なら大きな成長とチャンスを得られる
- 目的が曖昧なら、リスクばかりが目立ち後悔する可能性がある
- 大企業に残ることも、ベンチャーに挑戦することも「どちらが正解」というわけではない
最終的には「あなたのキャリアゴール」と「今の生活基盤」に照らし合わせて判断することが大切となります。
皆様の悔いのないキャリア選択の参考になれば幸いです。
コメント