「年収1,000万を捨てて起業しました。」
こう聞くと、多くの人は「なんてもったいない」と思うと思います。(一部の優秀な層はリスクをとっただけの話と軽くあしらうでしょうw)
確かに、会社員として順調にキャリアを積み、年収も1,000万を超えた状態からリスクを取るのは、一般的に見れば「無謀」なのかもしれません。
しかし、筆者はその選択に後悔はしていません。
この記事では、なぜ筆者がそんな決断をしたのか。そして実際に飛び込んでみて、何を得て、何を失ったのか。そんなリアルを記してみたいと思います。
起業という道にチャレンジした理由
まずはじめに、年収1,000万(正確には1000万以上はあったのですが、)を捨てて起業という道にチャレンジした理由からお伝えします。
人生一度きり、一度は起業に挑戦してみたかった
会社員として働いていると、どうしても「守り」に入ってしまいます。
仕事の成果に関わらず、毎月安定的な給料が口座に振り込まれ、ボーナスは数百万という額が手に入るので、これはある意味ドーパミンを打たれているような感覚に陥ります。
安定した収入や、それに加え福利厚生があることは大変ありがたい環境ではあるのですが、
「このままずっと会社員で過ごしていいのか?」と自問自答する日々が続いていました。
最近では起業家がかなりの大金を手にいれたり、Youtuberがかなりの高収入であるということがSNSを通じて情報として飛び込んでくるめ、どうしてもこのまま会社員だけでいいのかという迷いが出てくるのは当然かもしれません。
一度きりの人生。ならば、自分の力でどこまでできるか挑戦してみたい。
失敗しても構わない。挑戦せずに終わる人生の方が、筆者とっては後悔が大きいと思いました。
2. 仲間と一つのゴールに向かって働いてみたかった
今回の起業は、同期の仲間たちと一緒の会社で歩んでいます。
学生時代からの友人でもなく、偶然同じ会社に入った同期。共に働く中で信頼関係を築き、「一緒にやろう」と声をかけてもらったのがきっかけです。
会社員時代、筆者はプロジェクトにおいて、メンバーと一緒にプロジェクトを遂行するという仕事にやりがいを感じていました。
ただ、必ずしも優れたメンバーややりやすいメンバーばかりでないのと、そもそも、仕事はプロジェクトだけではなく、個人レベルで対応する小さな案件を任されることもしばしば。
そんな中で「会社を一緒に作って大きくしていく」という経験は筆者の中では非常に眩しく思えました。
そして、それを同期という仲間達と同じ方向を見て、ゼロから挑戦できることに心が動かされました。
3. タイミングがよかった
そして最後の決め手は「タイミング」でした。
当時、筆者は前職の仕事に疲弊していました。人間関係も難しく、心身ともにしんどい時期。
そんなときに同期(ケン)から声をかけてもらったのです。
もしあのときが順風満帆な時期だったら、この挑戦を選んでいなかったかもしれません。
そういった意味で、あのタイミングは人生の転機だったと感じています。
起業してよかったこと
起業という道に挑戦してみて感じた「良かったこと」は大きく3つあります。
未経験だからこそ、自分の経験になる
会社を経営していくということはもちろんですが、筆者が飛び込んだのはEC事業です。しかも職種はマーケティングがメインとなり、今までSEとしてキャリアを積んできた筆者にとって、まさに未知の世界でした。
右も左も分からない中で試行錯誤を繰り返す日々は大変ですが、その分だけ自分の血肉になる感覚があります。
「毎日、何かしらの発見や学びがある」こと自体が、会社員時代とはまったく違う充実感を与えてくれています。
経営の一端に触れられる
会社員時代は、自分の役割を果たすことに集中していました。会社の経営目標であったり全体の売り上げということは意識することなく、その中で自分に降ってきた数字や案件をこなすという考えしかありません。
でも今は、会社全体の収支や戦略、組織作りまで関わります。
正直、分からないことだらけです。筆者は経理業務までは実施していないのですが、代表が経理に苦戦しているところを真横でみていたり、マーケ施策の数字を分析したりするのも慣れないせいか苦労ばかりです。
ただ、会社が動く仕組みを体感できるのは、会社員時代では味わえない学びとなっています。
3. ストレスが激減し、自由に働ける
会社員時代は、上司や顧客との関係に神経をすり減らすことが多々ありました。
「上司の顔色を伺ったり、苦手な顧客の反応をいちいち気にしたりと」なんて考える毎日は、僕にとって大きなストレスでした。
が、今はそれがほとんどなくなりました。
もちろんプレッシャーはありますが、「やらされている」感覚ではなく「自分が選んでやっている」感覚。
そして、細かい出退勤の時間帯を気にしなくて良い点や、人間関係でストレスがないこと、これは精神的に大きな違いです。
起業して辛かったこと
とはいえ、良いことばかりではありません。
むしろ現実は、想像以上に厳しいものでした。
収入が激減
年収1,000万あった収入は、起業後の現在では350万程度と3分の1に減少しています。
当初はリスクをとっているわけだし、最初のうちは当たり前という感覚ではいたのですが、毎月の生活は当然タイトになりますし、貯金を取り崩す生活も覚悟しなければなりません。
今まで右肩上がりで増えていった資産が、一向に増えない。それどころか、キャッシュフローではマイナスになることもあり、頭ではわかっていても、それが現実となると、少し考える部分があるのも事実です。
業界・職種のギャップ
これは「起業」というよりも完全に筆者のキャリアのバックボーン的な話になるのですが、飛び込んだのは全く未経験のEC業界です。しかも筆者の担当はマーケティング。
これまでやってきたSEとは180度違います。
正直、最初は「自分にできるのか」と不安ばかりでした。
専門知識もゼロから覚え、広告運用や商品ページ改善など、地道な作業の連続です。
地味な作業の繰り返し
「起業」というと華やかなイメージを持つ人も多いと思います。でも実際は、毎日が地味な繰り返しです。
・商品ページの文言を少しずつ直す
・在庫や売上データを地道に管理する
・SNSの発信をコツコツ続ける
正直、派手さは全くありません。
でも、この積み重ねが会社を前に進めていることを実感できるのもまた事実です。
安定した会社員を捨てた後悔はあるか?
これだけは断言できますが、後悔はありません。
確かに給料は激減しましたし、仕事内容は地味で決して楽しいということではありません。
ただし、挑戦しなければ得られなかった経験や学びは、すでに筆者の財産になっています。
「やって失敗する後悔」より「やらずに終わる後悔」の方が嫌でした。だからこそ今、たとえ大変でも納得して毎日を過ごせています。
まとめ
年収1,000万という安定を捨てた代わりに、筆者が得たのは「挑戦の充実感」と「学び」でした。
お金や安定は確かに大切です。
でも、自分の心に正直に挑戦することでしか見えない景色もある。
もし今、あなたが安定か挑戦かで迷っているなら、筆者はこう伝えたいです。
「一度きりの人生。やらずに後悔するくらいなら、飛び込んでみてもいい。」
コメント