同期同士で起業はアリ?ナシ?実際に同期3人で起業した筆者が解説

起業(M&Aへの道)

「同期と一緒に起業してみたい」
会社員をしている方の中で起業というものに興味がある方は、一度はそんなことを考えたことがある人も多いと思います。

気心の知れた仲間と力を合わせてビジネスを始めるのは、とても魅力的に見えますよね。筆者自身もまさに、起業する前はそんか想いでした。

「なんかカッコいい」「チャレンジしてる感がある」「成功したら莫大な富が得られる」などと妄想を広げていた時代が懐かしいです(笑)

そして、実際にその道を選び、会社員時代の同期3人で起業したわけであります。

ただし、実際にやってみると「良かった部分」と「想像以上に大変だった部分」がはっきりと見えてきました。本記事では、私たちのリアルな経験をもとに「同期で起業はアリか、ナシか」を解説していきます。

同期で起業するメリット

まずはじめに、同期で起業する際のメリットをまとめます。実際に筆者も同期で企業をしてみて実感している点となるので、ある程度参考にはなるかと思います。

1. 信頼関係がある

起業する際に、ある程度会社を大きくするためにはどうしても仲間(メンバー)が必要です。

新しい仲間を探すより、すでに性格や人間性を知っている同期の方が安心感があるのは想像しやすいかと思います。スタートアップの初期はお金も時間も不安定なので、「一緒に頑張れる仲間がいる」というのは大きな強みであり、事業を進めて行く上での励みになります。

2. 得意分野を活かせる

2点目として、私たち3人もバックグラウンドがバラバラでした。そのため、お互いの役割分担がわりとスムーズに決まり、目的に向かって走りやすいという点がありました。

また、バックグランドが異なるため、それぞれの専門領域、経験値からの意見交換、ディスカッションが行えるため、1人では考えつかなったアイディアも出てくる等のメリットもあります。

実際に弊社のバックグランドはこんな感じ

  • 1人は営業・マーケティングが得意
  • 1人はプロダクト開発寄りのエンジニア
  • 1人は企画・調整ゴトが得意

バックグランドが異なることを活かすのはもちろん、このように自然に役割分担ができたのは、同期だからこそお互いの得意不得意を把握していたからだと思います。

3. 精神的な支えになる

起業してみると、思った以上に孤独やプレッシャーがあります。そのとき「同じ熱量で頑張る仲間が隣にいる」というのは大きな心の支えになります。

実際に弊社のメンバーである、通称「ケン」は当初は1人で作業をするのが好きだと言っていたのですが、当時コロナ禍であったこともあり、我々もリモートで仕事することがほとんどだったため、人と会わなくなり、「孤独で死にそう」とボヤいていたのを覚えています。

ある意味なんでも言い合える関係性だからこそ、この孤独やプレッシャーも乗り越えられてきたのかなと今では思います。

同期で起業するデメリット

続いて、同期で起業する際のデメリットをお伝えします。

1. 意見がぶつかる

仲が良い、気心が知れているからといって、常に同じ方向を向けるわけではありません。例えば、

  • 「目先の利益を優先するか、事業を大きくするための先行投資を優先するか」
  • 「投資を受け入れるか、自分たちだけでやるか」
  • 「商品開発についてどのような商品を開発するか」等

このような大きな判断で意見が割れると、激しく議論になることもありました。今では大きくぶつかることは無くなりましたが、今思うと「友達としては好き」だけど「ビジネスパートナーとしては合わない」と思う瞬間もしばしばありました。

2. 上下関係がないことでリーダー不在になりやすい

上記で述べた、意見のぶつかり合いにも言えることですが、同期同士のため、上下関係がないということが意見がまとまりずらい原因だったのかもしれません。

同期なので立場がフラットです。一見良さそうですが、いざ大事な局面になると「誰が最終的に決めるのか」が曖昧になり、結局話がまとまらず、意思決定が遅れることもありました。

3. メンバー同士の熱意の差と行動量の差

起業した当初は同期3人ともに、会社員として会社に勤めながら、副業的な感じで平日の業務後と土日の時間を使って業務をしていました。

そうすると、それぞれ業務の忙しやも異なり、時間も合わせることが難しいことから、同期起業の事業に割く時間が、バラバラとなっていきました。

ここで一番熱意があったのが、事業の発案者でもある「T社長」。

実はT社長は同期で一番最初に会社を退職し、同期起業の事業にフルコミットすることになります。

話を戻しますが、そんな状況になると当然、週一回の定例会でお互いのタスクの進捗確認をすることになるのですが、メンバーによって偏りが出てくることになり、「なんでやってないのか」等言い合いになることもしばしば。

当然本業があることは皆んな理解しているので、そこまで強くは言えないのですが、これではなんのために同期で起業したかわからない状況というのがしばらく続くことに。

同期で起業を考えている人へのアドバイス

筆者が同期で起業をしていろいろ感じてきた中で、これから同期同士での企業を考えている人へ、当時の自分に言い聞かせるつもりで参考なるアドバイスをしたいと思います。

上下関係を明確に(リーダや意思決定者を明確に)

先のデメリットでも述べましたが、同期同士だと上下関係がないため、意見がぶつかりがちです。

その反省点から弊社では現在は「T社長」が意思決定者でリーダーとして位置付けており、その部下としてケンや筆者がいるという組織体系です。

役割分担はできていたとしても縦の関係がないとどうしてもうまくいきません。

弊社もちゃんと縦の関係性を決めてからはわりとスムーズに業務が進むようになったため、これから同期同士で企業を考えている方はリーダー、意思決定者を明確に決めた上で、ある程度リーダーの意見を尊重して従うという形が会社を運営していく上で重要ではないかと思います。

定期的に「本当にこの方向性でいいのか」を確認する

同期だからといって将来像が常に一致しているわけではありません。起業当初のゴール設定は重要ですが、会社のステージが変化していくにつれ、自ずと目標も変わってくるのが自然です。

そのため、定期的に話し合う場を設け、現在の置かれた状況とゴールまでの道のりを確認する機会を設けると認識のずれが少なく同じ目標に進んでいけるのだと思います。。

契約ごとは最初に書面で明確化する

同期同士で起業するとなんとなく、まずは「起業する」こと自体に意義があるように思え、細かい契約関連や出資比率・報酬のルールは後回しになりがちです。

特に弊社のゴールはM&Aによる会社売却なので、出資比率(持ち株比率)は極めて重要なポイントなります。

出資比率・役割分担・報酬のルールは、なあなあにせずに、絶対に最初に合意しておくべきです。

まとめ

同期で起業するのは「アリか・ナシか」で言えば、人によって答えは変わると思います。

ただ、筆者自身の経験から言えるのは、「同期だから」ではなく「この人たちと一緒にビジネスをしたいかどうか」で判断するべきだということです。

友情をベースに始めると、いつか必ずビジネスの現実に直面します。そのときに必要なのは「仲の良さ」ではなく「プロとして尊敬できるかどうか」です。

同期起業には夢もリスクもあります。もし挑戦するなら、仲間を信じる気持ちと同じくらい、冷静なルール作りを大切にしてみてください。

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