「会社員と起業人(独立)、どっちが幸せなんだろう?」
この疑問については、起業に興味がある方や副業を経て独立を考えている多くの人が一度は考えるテーマだと思います。
筆者は会社員として10年以上働き、年収は1,000万円を超えるところまでキャリアを積みました。その間に転職も経験し、順調な会社員生活を歩んでいましたが、その後起業の道に進みました。
いわば、会社員と、起業(独立)の両方を経験した立場です。
そこで今回は「一般的に言われている会社員・起業家のメリット/デメリット」と「私自身が経験して感じたこと」の両方を交えながら、どちらが幸せかを考えていきたいと思います。
会社員の幸せな部分と辛い部分
ここからはまず、会社員にとって、幸せな部分とそうではない辛い部分について一般的に言われている点をまずはまとめます。
一般的に言われるメリット
- 安定した収入・福利厚生
- 社会的信用の高さ(住宅ローン、カード審査など)
- 責任は会社にある(自分がミスっても罪悪感だけで、給料がゼロになったり、借金することはない)
一般的に言われるデメリット
人間関係に左右される(人間関係がストレスの原因になる)
自由度が低い
収入アップに限界がある
私が会社員をして感じたこと
上記のメリット、デメリットを考えつつ、実際に筆者が会社員をして感じたことをまとめてみます。
私が感じた会社員のよい部分(メリット)
筆者が会社員として勤めた2社についてはいずれも大企業でしたので、大企業の会社員という視点にはなることをご了承ください。
1点目としては、まず筆者は一般の会社員の平均年収以上の年収はもらっていたという点もあり、生活の基盤が安定していたので、お金の面での不安はほとんどありませんでした。
また、こちらは大企業ならではかと思いますが、オフィスが立派なことも多いため、このオフィスで働いているという優越感や、この会社の社員であるという優越感はどこかあったかと思います。ここは少しだけ自己肯定感を上げてくれる要因かと思います。
(ただ、それは最初だけで、徐々に慣れてしまってそんなことは感じなくなってくるんですがね、、、辞めて初めて気づく点ですね。)
2点目として、福利厚生やお金の部分にも含まれますが、年金制度が充実している点ですね。
会社ごとに色々な福利厚生があるかと思います。私が勤めていた会社はサテライスオフィスの利用が福利厚生としてあり、WeWorkを利用することができました。
WeWorkというサテライトオフィスは都心に多く存在するため、オフィスに通うよりも家から近く、最新のエスプレッソマシーンでコーヒーやカフェラテはもちろん、15時以降はビールも飲めるという夢のようなサテライトオフィスでした。
ちょっと話はそれますが、金曜こと、華金はよく同期とWeWorkでビールを2、3杯飲んでから居酒屋へ行くというルーティーンがありました。1次会の場として最高でした。
考えが曲がっていた当時の筆者は、いわゆる「仕事ができない(できてもやる気がない)窓際族」には業務終了ちょっと前にビールが飲める最高の場所だなと思っていたものです。
さらに、確定拠出年金(401k)制度です。
最近の会社では退職金が出ない代わりにこの確定拠出年金制度が退職金代わりになっている会社もあるかと思います。
筆者含め、このブログの登場人物である「同期3人起業物語」のメンバーの新卒の会社もそうでした。
原則60歳まで受け取りできないとはいえ、その期間資産運用ができるため、受け取る頃にはそれなりの金額になってることが想定される?(結果はわかりませんが、筆者は期待しています)ため、老後の安心感に少し貢献してくれるかと思います。
ちなみに筆者が転職して2社目の会社はいわゆるJTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)だったのですが、退職金はもちろん、確定拠出年金の金額もそれなりにもらえていたため、年収には反映されない隠れた給料が貰えている気分でした。
私が感じた会社員の窮屈な部分(デメリット)
1点目はメリットの部分で給与が安定しているということを述べましたが、会社員の給与だけでは、いわゆるお金持ちになる(筆者がひっそり目指しているFireを実現する)ことは難しいという点。
但し書きとして、上位数%の会社員であれば可能かと思いますが、大半の方では難しいという現実があります。
筆者が起業した理由もこの大金を手にしたいというのが根本にあります。
出世しても大して給与はあがらず、責任だけ増える、、、なんてこともザラにありますよね。
2点目は人間関係。
起業しても人間関係でストレスがゼロになるということはありません。ただし、少なくとも会社員時代の人間関係でギクシャクするということはないです。
かくいう筆者も人間関係で鬱になった(正確には自分でそう思っただけですが)経験があります。
同じ会社の同僚はもちろん、取引先との関係も会社員は選ぶことが難しいため、人間関係のストレスは切っても切り離せない点かと思います。
起業人の幸せな部分と辛い部分
次は、起業人にとって、幸せな部分とそうではない辛い部分について一般論をまとめてみます。
一般的に言われるメリット
- 自由に働ける(時間・場所・内容を自分で決められる)
- 成果が収入に直結する
- 夢やアイデアを形にできる達成感
一般的に言われるデメリット
- 収入が不安定
- 社会的信用を得にくい
- 責任の重さや孤独感
私が起業して感じたこと
続いて、筆者が起業を経験して感じたことを述べることにします。
私が感じた起業人のよい部分(メリット)
まず1点目として、起業の目的の1つでもあった「自分のアイデアでお金が動く」という感覚は、会社員時代には絶対に味わえなかった大きな喜びでした。
自分が考えた事業や考えをお金に変えるということは会社員以上に「お金を手にする=売上があがる」ことが嬉しく感じています。
2点目としては良くも悪くも自由ということ。会社として就業規則等は設けてはいますが、9時に出社しなければならない等、細かい縛りはありません。
また、人間関係においても会社員時代に比べるとストレスは限りなく少ないです。
ストレスなく働けれるという環境は想像以上に重要なのだと、会社員時代に鬱を経験して、また、起業して働いて痛感をしています。
3点目としては、これは実現していないため、現時点ではわからないのですが、大金を得るチャンスがあるということ。
これが起業の最大の目的ではあるのですが、我々の会社「同期起業」のゴールはM&Aによる会社売却です。目標金額としては5億以上を目指しているため、これが実現できれば、会社員で働いていた時と比較してもより短期間でまとまったお金を手にすることができます。
私が感じた起業人の辛い部分(デメリット)
続いてデメリットの部分ですが、まずは売上が安定していないことが挙げられます。会社員の場合は毎月安定して給与が振り込まれますが、起業するとそういうわけにもいきません。売上がなければ給与は出ないため、なんとか売り上げる必要がありますし、事業内容にもよりますが、弊社のEC事業は売上が安定する事業でもないめ、精神的に落ち着かない時期があるのも事実です。
実際、弊社の代表であるT社長は、会社員時代よりも間違いなくストレスがあると言っています。あまりネガティブな発言はしない、T社長ですが、ストレスで白髪がかなり増えたとぼやいていたほどです。
2点目として、先の話と関係しますが、必ずしも成功するとは限らないこと。企業倒産件数もここ数年では増えているようで、むしろ失敗する可能性の方が高いと言っても過言ではないかもしれません。
弊社は2025年度で法人5期目に突入しましたが、5期目でも決して安定しているわけではなく、いつ倒産するかもわかりません。特にEC事業は外部(世の中の情勢等)の影響を受けやすいため、インフレで物価が上昇している現在の局面や、競合他社の参入による広告費の高騰等、毎年厳しい中で戦っている事実があります。
「何事も経験」という言葉もありますが、起業の経験は確かに財産ではあるのですが、ゴールである会社売却ができないとなった場合、30代だとなかなか厳いというのも実態としてあります。
3点目は、信用力の面では、会社員時代より圧倒的に不利のように感じます。「年収1,000万の会社員」と「年収ゼロの起業家」では、周囲の対応も違います。
実際に住宅ローンや不動産投資をする際のローンも大企業の会社員であればそれなりのローンが組めますが、起業人の場合は、歴が浅かったり、売上が安定していないとなかなか厳しいものがあります。
ただ、そこまでネガティブになる必要もなく、賃貸は普通に借りれますし、実生活では苦労するほどではありませんので、そこは補足しておきますね。
幸せの基準は人によって違う
ここまで、会社員と起業人としてのよい面、わるい面について一般論と筆者の意見を交えて述べてきましたが、こうして比較すると、会社員と起業家にはそれぞれ強みと弱みがあるのがよくわかります。
- 安定を幸せと感じる人 → 会社員向き
- 自由や挑戦を幸せと感じる人 → 起業家向き
私自身、会社員時代は「安定した収入」という幸せを享受しましたし、今は「自分で事業を動かす自由」や「起業という新たなチャレンジをしている」ということに幸せを感じています。
つまり幸せの基準は、ライフステージや価値観によって変わるものなのだと思います。
両方の“いいとこ取り”という選択肢
今の時代は「会社員」か「起業家」かの二択ではありません。
- 副業で小さく事業を始めてみる
- パラレルキャリアで複数の収入源を持つ
こうした働き方なら、会社員の安定を確保しつつ、起業家の自由や挑戦を味わうことができます。
筆者も「起業」という選択をしましたが、大企業の会社員として安定した給与を得つつ、副業で自分の事業を初めて、複数の収入源を得るというやり方が、今では一番バランスがよいのかなと実感をしております。
※ただ、同期で起業する経験は人生で1度あるかないかなので、やって後悔はないのですが。
さいごに:幸せの答えは「自分の価値観次第」
「会社員と起業家、どっちが幸せか?」に唯一の正解はありません。
ただ一つ言えるのは、幸せの定義を他人に委ねてはいけないということかと思います。
- 安定を大切にしたい人は、会社員のほうが幸せ。
- 自由や挑戦を大切にしたい人は、起業家のほうが幸せ。
そして両方の経験をした私が思うのは、どちらも素晴らしい選択肢だということ。
大事なのは「あなたにとっての幸せの基準は何か?」を明確にすることだと筆者は考えます。
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